好きだなんて、【完】

「っ…」


あからさまに顔を背けた凪くん



「どうしたの?大丈夫?」



心配になって、凪くんのカーディガンの裾を触った



「いいから、触るな」



「あ、ごめん…」



ちょっと調子に乗っちゃった



私に触られたくなんてないよね。



こうやってまた簡単に落ち込んじゃう



「…しずく」



「っ、」




不意に名前を呼ばれて、胸がこんなにも弾むのは凪くんだけなんだよ



「欠点取らないようにしろよ」



「なっ、きいてたの!?」



「スタンバイ中だったし聞こえたんだよ」




「恥ずかしい…」




凪くんは勉強全般できるから、欠点なんて取ったことないんだろうな



芸能界に入るまではよく凪くんに教えてもらってたっけ…
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