好きだなんて、【完】

「お、お邪魔します」



誰もいない廊下で1人呟く



長い廊下に四つあるドア



うちの間取りと全く同じで、玄関から見て左側、手前から2番目のドアが開いて、




「よう」



いつもより掠れた声、気怠そうに顔を覗かす凪くん



胸がぎゅうって苦しくなる。




寝起きなのかな。




パジャマ姿で、寝癖もつきっぱなし




「早く上がれば」




「あ、う、うん!」




急かすような視線に急いで靴を脱ぐ。



凪くんの部屋…



やっぱりすごく緊張する。




何話せばいいか分からないし、無言が怖い。




えっと、何か話題…





「そ、そこで風季に会ったよ!」




「へー、で?」



で?って…




「一緒に勉強誘ったんだけど、部活なんだってさ!残念だね。」



「そんなに風季と勉強したかったわけ?」



刺さるような視線



あれ、なんかドツボにハマってる?
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