好きだなんて、【完】

「わかった。」



ふぅ、と小さく息をついて黒縁のメガネを、綺麗な手で取る凪くん



その姿が絵になりすぎて、思わず目を背けた。




「あっ。あの写真懐かしいね」




サイドテーブルの上に飾られた写真縦に入った写真を指差す。



「ああ…つららが芸能界入る前にみんなでBBQした時のな。」




お姉ちゃんが忙しくなっちゃうから、って家族総出で応援会みたいなのを開いたんだよね。


親たちはBBQして、私たちは川遊びして楽しかったなぁ。


「この時、風季が溺れちゃって大変だったよね」



「そうだな」



「足のつく浅瀬なのにパニックになってねっ。その様子見てみんな本当に溺れてるってパニックになったもんね。」



あの頃から風季は騒がしくて、そそっかしい性格だった。
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