好きだなんて、【完】
聞きたいことはたくさんあるのに、言葉にする勇気がない。
あー、だめだ
考えれば考えるほどわからなくて、頭が回らなくてなってくる。
普段何もしてない私がこんなにも勉強したらそりゃこうなるよね。
眠たいな。
「く、…しず」
凪くんの声が聞こえて心地いい。
『俺が好きなのは、つららじゃなくてしずくだよ…ーーーー』
微睡の中、そんな声が聞こえた気がして、
柔らかい感触が唇に当たって、
起きなきゃって思うのに、目が開かなくて、
あれ?これって夢?
夢だよね。
夢っていつだって都合がいいから。
・
・
・
「ん、」
ゆっくり開いた瞳
目の前の時計を見ると時刻は14時になっていた。
私はまだ凪くんの部屋にいて、見渡すと凪くんはいなかった。
…午後から仕事って言ってたよね。