好きだなんて、【完】

…もしかしたら、私かもしれない。



そんなバカで浅はかな期待をしていた。



「だ、誰?」



「つらら」



出てきた言葉はあまりにも残酷だった。


中学生の私にはとても受け入れ難い事実だった。



完全に、思い上がっていた。



凪くんがお姉ちゃんのことを好きな可能性なんてこれっぽっちも考えていなかった。



芸能界に入ってからの凪くんは、あからさまに私のことを避け続け、冷たい態度をとるようになった。


あの日、好きな人を聞いたのがいけなかったのか。私の気持ちを察して、距離を置かれてしまったのかはわからない。



…3年経った今でも私は何もわからない。
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