好きだなんて、【完】
あーあ、寂しいな。やっぱりあーちゃんと同じクラスがいいな。
「…しずく」
「ん?」
見上げると、何かいいたげな風季
「もう、メイクしないわけ?」
「…うん、あれはあーちゃんがしてくれただけだし。」
私にあのレベルの身だしなみは毎日することができない。
みんな褒めてくれて嬉しかったけど
それにあれは凪くんのためだったから。
「この前、家に来てた時も可愛くしてたじゃん」
…あの一瞬で風季は気づいてたんだ。
「あれは…」
凪くんのためだなんて言えない。
風季はきっと、凪くんがお姉ちゃんを好きなことを知ってるから。困らせたくない。
「はあ…分かりやすすぎ。」
「へ?」
「んーん。なんでもない。」
弱く脆く笑う風季に何故か胸が締め付けられた。
やっぱり最近の風季はおかしい。
さっきだってまた可愛いって言ってくれたし…
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