リアルに恋していいですか 〜10年ぶりに再会した超国民的スターに執着されています〜
第三章
○菜穂子のアパートの部屋(夜)
千晶にタクシーで送ってもらったあと。
部屋のクローゼットからダンボールを引っ張り出し、アルバムを見返す菜穂子。
小さいころの菜穂子の写真が沢山入っているが、その中に一枚だけ千晶が写っているものが。
菜穂子(他の写真は全部捨てちゃったけど……)
菜穂子(これだけは捨てられなかった)
菜穂子(まさか千晶も持っているとは思わなかったけど)
菜穂子と千晶が積み木をしながらピースをしている写真を見ながら、頬を緩める。
するとそのとき、千晶からのビデオ通話がかかってくる。
菜穂子(千晶……?)
千晶『酔い、少しは冷めた?』
菜穂子『……ええ。今日は迷惑かけたわね』
千晶『本当だよ。ちゃんと化粧落としてから寝ろよ』
菜穂子『これ、何の通話?』
千晶『おやすみって言おうと思って』
菜穂子『ふ。何よそれ』
菜穂子はスマホをかざしたまま頬を緩める。
千晶『おやすみ、菜穂子』
菜穂子『おやすみなさい。あまり夜更かししちゃだめよ』
千晶『ありがと笑 また明日』
通話を切り、そのまま突っ伏して菜穂子は眠り始める。