リアルに恋していいですか 〜10年ぶりに再会した超国民的スターに執着されています〜
第四章
○会社(午前中)
女性社員たちが菜穂子のパソコンの周りに集まっていて、パソコンを覗き込んでいる。
パソコンの画面には、菜穂子が代役を務めた恋人特集の、千晶とのツーショット写真が。
写真に加工が加えられ、『恋人特集』の文字が入っている。
女性社員1「西野さんが代役やったって聞いてましたけど、アイドル相手に引けを取らないビジュアルすご……!」
女性社員2「本物のカップルみたいです!」
菜穂子(……本物というか、元カノです)
美奈「でしょでしょ!? 私の見る目は間違ったなぁ。ほら菜穂子、これを機にモデルに転職とかしたら?」
きゃっきゃっと騒ぐ女性社員たちを冷静な目で見たあと、ばっさりと斬り捨てる。
菜穂子「しないわよ。ていうか美奈こそ、私がいなくなったら誰に仕事手伝ってもらうの?」
はっとして青ざめる美奈。
美奈「わっ、菜穂子様いなくならないで〜! せめて私が玉の輿して寿退社するまでは!」
菜穂子「全く。いつまで私のことこき使うつもりよ」
菜穂子は腕時計を見て時計を確認する。