リアルに恋していいですか 〜10年ぶりに再会した超国民的スターに執着されています〜
慶介「ほら、カフェの経営の傍らカメラの仕事してるって言ったじゃん?」
千晶「何回か俺も撮ってもらったんだよ」
菜穂子「へぇ……」
菜穂子(そういえば美奈がそんな話してたような)
千晶はラザニアを食べ、フォークを片手に持ちながらこちらに聞く。
千晶「菜穂子こそ、なんで慶さんとふたりきり?」
菜穂子「本当はもうひとり来る予定だったのよ。今日はタルトの作り方を教えてもらったの」
千晶「あーあの写真のタルト、ここのだったのか。通りで見たことあるような気がした訳だ」
千晶は菜穂子と慶介のことをちらりと見る。その後、ラザニアを完食して手を合わせ、立ち上がる。
千晶「ご馳走様」
慶介「もう帰るのか? もうちょっとゆっくりしていけば……」
千晶「いや、また改めてお邪魔します。休業日に」
慶介「営業日にしてくれ」
そのまま千晶は、菜穂子の腕を引っぱった。
菜穂子「わっ、何……!?」
千晶「行くぞ」
菜穂子「ちょっと千晶、そんな引っ張らないで……!」
無理やり連れて行かれる菜穂子を見ながら、慶介は思った。
慶介(まさか、西野さんが好きな訳あり相手って……いや、まさかな)