【完結】好感度-100から開始の乙女ゲーム攻略法 〜妹に全部奪われたので、攻略対象は私がもらってもいいですよね〜

 実は今日、攻略対象に話しかけられるのはルイで3人目だった。その前に、エリオットとサイラスもやって来て、「体調はどうか」と同じ質問を投げかけられた。ルサレテはそれぞれに対し、ルイにしたのと同じ受け答えをするのだった。

「ところで、殿下にひとつ、お聞きしてもよろしいでしょうか」
「ああ、なんでも聞いてくれ」
「ロアン様がここ一週間、学園に来ておりません。何か……ご存知ですか?」
「いや、何も聞いていないな。気になるなら屋敷を訪ねてみたらどうだ?」

 どうやらルイはロアンの病気のことを恐らく知らない。もし知っていたら、一週間学園に来ていない状態に、心配しないはずがないから。
 ルイはそう言って、ロアンが現在生活の拠点にしているタウンハウスのメモをこちらに渡した。メモを手に持ちながら、目を瞬かせるルサレテ。

「突然押しかけて、迷惑ではないでしょうか……」
「ふ。何を言うかと思えば。そなたであればむしろ喜ぶはずだ」

 ロアンの好感度は随分高くなっている。他人からもとりわけ親しく見えていたのだと分かり、気恥ずかしくなって頬が赤くなった。

 ルイと別れてまもなく、空中ディスプレイに『イベント発生』の文字と地図が現れる。それは、病で伏せっているロアンのお見舞いイベント。
 指先で地図をタップすると、視界が歪み、一瞬で彼のタウンハウスへと移動していた。
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