これからも、一緒にいたい~友達以上恋人未満のふたり
沙羅視点*涼太くん
季節は過ぎてゆき、卒業の日が来た。
この1年はすごく早く感じた。
それはきっと、隣に涼太くんがいたから。涼太くんは、あちこち色々なところに連れていってくれた。家や学校の近くにある花とかしか撮ってなかった私。そんな私の世界を広げてくれた。涼太くんのおかげで好きな写真もいっぱい撮れて、写真のデータ量がすごいことに。でもその写真たちは、全部涼太くんとの思い出でもあるから、私にとってはすごく大切な宝物――。
卒業式が終わった時、学校に涼太くんが来た。
「うそ、涼太先輩?」
「ますますイケメンになってる!」
「かっこいいな!」
女の子の黄色い声だけではなく、男の子たちの声も聞こえた。大人気の涼太くん。普段一緒にいることが信じられないな、一緒にいていいのかな?って、あらためて思う。でも、写真を撮っていることは誰にも言っていないらしく、私しか知らない。少し優越感。
別の人に会いに来たのかな?って思っていたけれど、私のところに一直線に来た。周りからは、なれてない注目を浴びて、心臓の音が早くなる。
「沙羅ちゃん、卒業おめでとう」
「涼太、くん……ありがとうございます」
実はこの〝涼太くん〟って呼び始めたのは最近で。だからそう呼ぶのもまだなれていない。佐藤涼太先輩ってずっと呼んでいたら「そろそろその呼び方変えてほしいな。下の名前で呼んでほしい」って言われて。タメ口で話してとも言われたけれど、それはまだ出来ていない。
周りから注目を浴びていたから、下を向いていた。そしたら「ごめん、沙羅ちゃん。注目浴びるの苦手っぽいよね? ちょっといい?」って私の手を握ってきて、校舎の裏側に連れていかれた。
この1年はすごく早く感じた。
それはきっと、隣に涼太くんがいたから。涼太くんは、あちこち色々なところに連れていってくれた。家や学校の近くにある花とかしか撮ってなかった私。そんな私の世界を広げてくれた。涼太くんのおかげで好きな写真もいっぱい撮れて、写真のデータ量がすごいことに。でもその写真たちは、全部涼太くんとの思い出でもあるから、私にとってはすごく大切な宝物――。
卒業式が終わった時、学校に涼太くんが来た。
「うそ、涼太先輩?」
「ますますイケメンになってる!」
「かっこいいな!」
女の子の黄色い声だけではなく、男の子たちの声も聞こえた。大人気の涼太くん。普段一緒にいることが信じられないな、一緒にいていいのかな?って、あらためて思う。でも、写真を撮っていることは誰にも言っていないらしく、私しか知らない。少し優越感。
別の人に会いに来たのかな?って思っていたけれど、私のところに一直線に来た。周りからは、なれてない注目を浴びて、心臓の音が早くなる。
「沙羅ちゃん、卒業おめでとう」
「涼太、くん……ありがとうございます」
実はこの〝涼太くん〟って呼び始めたのは最近で。だからそう呼ぶのもまだなれていない。佐藤涼太先輩ってずっと呼んでいたら「そろそろその呼び方変えてほしいな。下の名前で呼んでほしい」って言われて。タメ口で話してとも言われたけれど、それはまだ出来ていない。
周りから注目を浴びていたから、下を向いていた。そしたら「ごめん、沙羅ちゃん。注目浴びるの苦手っぽいよね? ちょっといい?」って私の手を握ってきて、校舎の裏側に連れていかれた。