御曹司は高嶺の花に愛を刻む
車の中で、菜由への気持ちに気づいてしまった俺は、見境なく襲ってしまいそうで、結構必死に我慢した。
菜由も、繋いだ手を離そうとしない。
俺を見上げる瞳には、熱がこもってるようにも見えた。
お互いが、見つめ合い、微笑み合う。
一緒の事をして、一緒に笑う。
菜由は、俺を見てくれてる。
ちゃんと、俺という人間を。
だから、菜由の前では、自然でいられる。
変に気取る事もない。
すっかり日も落ちて、夜のパレードを見る。
菜由を前に立たせて、俺は後ろから抱きしめるようにくっついた。
夏とはいえ、夜は風もあって少し肌寒い。
俺の内側に菜由の体温を感じる。
このまま、めちゃくちゃにしてしまいたい衝動に駆られる。
ダメだ。
それはちゃんと気持ちを伝えてからだ。
すると、菜由が俺を見上げる。