御曹司は高嶺の花に愛を刻む
見つめ合う。

菜由の瞳が足りないと言ってる。

わかってる。俺もだ。

その前に、もうひとつだけ。

「菜由。俺、ひとつ言ってない事がある。
驚くかも知れないけど、俺は菜由を離す気はない。」

「うん」

菜由は、しっかりと頷いた。

「俺の名前は、神楽陽平。神楽コーポレーションの副社長だ。お前の会社の」

「うん」

ん?驚かない?

「知ってたのか?」

菜由は横に首を振ったあと、縦にも振った。

「はは!どっちだよ!!」

面白すぎるだろ。その動きは。
結局ぐるんぐるんなってるぞ。

「あはは!!知らなかった!!けど、おととい知った!!」

「どう、、思った?」

「確かに驚いたけど、、、私、副社長の陽平を知らないし。こっちの陽平しか知らないし」

そう言ってまた抱きついてくる。
かわいい。

そのまま菜由は続けた。

「だから、この気持ちは変わらなかったよ?変かな?」

そう言って、俺を見上げる。
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