御曹司は高嶺の花に愛を刻む
電話が鳴った。

あ!!咲季だ!!着いたのかな?

「もっしー!!咲季、ついたぁ?どこー?」

私は周りをキョロキョロする。

すると電話越しから男みたいな声が聞こえてきた。

「菜由ー。ごべんー。風邪ひいだー。
熱でだー。あらゆる手は使ったんだよー。
ギリギリまで、粘ったんだけど、だべだー。
いげだいー。ぐすん」

「ちょ!!声!!わ、わかったから!!
泣かないの!!大丈夫!?
まず、仕方ない!!ゆっくり休んで!!」

「うん。大丈夫じゃだいげど、大丈夫ー。
菜由、私の分もだのじんでぎでー!
お土産話よろじぐぅーー」

「わ、わかった!!ちゃんとしっかり見届けてくるからね!?まず、お大事にするんだよ?」

「菜由ー。だんじょーび、おべでどー。
ねるー」

咲季ったら。こんな時にいいのに!

「ありがとう咲季。楽しんでくるからね!
おやすみ!元気になったら連絡してね!」

そうして、咲季と電話を終えた私は、1人で少し心細いけど、会場に足を向けた。
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