御曹司は高嶺の花に愛を刻む


「陽平も、最初、意味深な感じだったよね?」

「ああ。俺もな、こんな見た目だとなかなか外野が騒いで煩くてな。だから、見た目だけしか見ない奴とか、副社長とか御曹司だとか財力に群がる女に嫌気がさしてたんだよ」

「大変そ」

「否定はしない。でも、お前を見た時、俺をちゃんと見てほしいって思ったんだ。だから、あんな事言ったんだろうな」

「お互い、こじらせてたね」

「俺はお前を置いて、どこへも行かない」

「私も。ちゃんと陽平をみてるからね」

「ああ。俺も、菜由をちゃんとみてる」

菜由を振り向かせてキスを降らせた。


俺はお前から離れない。
一生かけて、証明する。

と勝手に心で唱えた。
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