御曹司は高嶺の花に愛を刻む
「菜由。もう無理だ。いろいろ諦めろ。俺の家に住め」

私はもう、素直に頷いた。

「それでいい。怖かったな。」

そう言って、陽平は抱きしめて頭を撫でてくれた。

「菜由が、家にいる時じゃなくて良かった」

確かに。

いた時に侵入されたら、逃げられない。
今思えば、よくあんな所に1人で住んでたもんだ。
想像しただけで、ガタガタと震える。

「菜由。怖がらせてごめん。もう大丈夫だ。俺がいるから。」

優しい声に、だんだんと落ち着きを取り戻す。

「荷物、簡単に纏めて、今日から俺んちな?」

「うん。ごめんね陽平」

「いや。何回も言ってただろ?俺がそうして欲しいんだ」

「うん。ありがとう」

「よし、歩けるか?俺が取ってこようか?」

「大丈夫。」

「よし、行こう」

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