御曹司は高嶺の花に愛を刻む
その日は、もう深夜も過ぎていたし、2人でお風呂に入って、陽平は私をギュッと抱きしめて寝てくれた。

陽平がいてくれて良かった。

陽平がいなかったら、こんな風にしていられなかった。


陽平は、朝までしっかりと私を抱きしめてくれていて

"俺がいるから。安心しろ"

全身で私に伝えるように、そんな感じで。


「おはよう。菜由。大丈夫か?仕事行けるか?」

私は首をコクっと縦に振る。
1人でいたくない。

「そうか。無理すんなよ?朝は一緒に行こう。ちゃんと手前で降ろすから。」

そう言われたら、何も言えない。
私も、そうしたかったから。

「うん。ありがとう。陽平。本当にごめんね」

「いいんだ。俺がそうしたいんだから。
本当は、自分の膝に乗せて仕事中もずっとイチャイチャして、キスして、抱きしめて、なんなら後ろから、いや、前からデスクで抱きつぶ」

「わ、わかったってば!!」

ついつい、笑ってしまう。
そんな私を陽平は優しく見つめる。

わざと言ったんだ。
陽平の優しさに、胸がキュッとする。
本当に。優しい。
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