御曹司は高嶺の花に愛を刻む
「菜由。菜由の親に合わせてくれるか?同棲の許可をもらいたい。」
陽平って、意外とその辺は真面目だよね。
「うん」
「それから。
俺はずっと、菜由と一緒にいたかったから。
タイミングが今になっただけで、今回の事があってもなくても、俺は早かれ遅かれ菜由と一緒に暮らしたいって思ってた。
ズルいって思うか?」
陽平が、少し不安そうな顔をする。
私は首を横に振った。
そんな事、絶対に思わない。
むしろ嬉しすぎる言葉だった。
「だから、菜由は俺に申し訳ないとか、思わなくていいんだ。遠慮もするな。
俺が一緒にいたくて、連れ去ったんだから。
ここを出ていくとかも無しな。
俺が無理だ。離れたくない。
いいな?」
助けただけじゃないって教えてくれたんだ。
私が、ここで暮らしやすいように。
漠然としていた、不安や焦りが消えていく。
「陽平。すごいね。ありがとう。よろしくね」
「来てくれてありがとうな」
そう言って、キスを落とした。
「ダメだ。菜由を離したくない。抱いていい?」
私も、陽平を感じたい。
「し、仕事は?」
「、、、、。午後から行かね?」
そして、私が何も言わない事をいい事に、陽平はさっさと秘書の設楽さんに連絡をして、ごもっともな理由を述べて、2人とも午後から行く事になった。