御曹司は高嶺の花に愛を刻む
これが、本当に人を愛するという事なんだと。
菜由に出会って、やっと知ることができた。
俺は、菜由に出会う為に、愛情という感情を眠らせていたのかもしれない。
この愛は、本物だと。
わかる。
今の俺には。
ハッキリと。
打ち込んでいたキーボードのエンターキーをタン!と打つ。
答えが出たように。
「副社長」
「なんだ」
「顔が、、、」
「ああ。
昨日は急にすまなかった」
「いえ。そうなるかと朝のうちに、全てのスケジュールを変更しておりましたので、何も問題ございませんでした」
こいつは本当に。
頭が上がらない。
「設楽。ありがとう」
「いえ。ただ、、」
「なんだ」
「最中に、電話はダメでしょう」
そう言って設楽はニヤっと笑った。
本当にお見通しだな。
ははは!しかも設楽が笑った。
「善処する」
とりあえず、言っておく。
「よろしくお願いします」
設楽は一瞬白目を向いて、返事をした。
クックッ!信じてないな。
本当に、俺をわかってる。