御曹司は高嶺の花に愛を刻む
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すっかり季節も変わり、寒くなってきた。
菜由の温もりが、心地よい。

あの、事件から間も無く犯人はあっさり捕まった。
以前から、女性の一人暮らしを片っ端から狙って反抗に及んでいたらしく、警察もマークしていたと。
菜由以外にも、何人もの被害者がいたとか。

そうして、俺たちはやっと穏やかな生活が送れるようになった。


隣では、俺の腕の中でスヤスヤとこっちを向いて、綺麗な顔をして眠る菜由がいる。

寝顔を見ながら、艶々の綺麗な髪を一筋取って、くるくると遊んでいれば

「ん、、、」

ゆっくりと、菜由の瞼が開く。

「おはよ」

「おはよう。陽平」

そして菜由はあごを上げておはようのキスをねだる。
俺はチュッとキスを落とした。

菜由はクスッと嬉しそうに微笑んだ。

かわいいな。本当に。

こうして、俺たちの朝は始まる。
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