御曹司は高嶺の花に愛を刻む
するとそこには、陽平が他のキャラクター達に囲まれて、私に向かって四角い箱を開いてひざまずいていた。


「菜由。俺はお前を置いてどこにも行かない。結婚しよう」

ぶぁっと瞳に涙が浮かぶ。
私は、この言葉が欲しかったんだ。
陽平の目が、本心を語っている。
嘘じゃないと。
信じてもいいと。
俺についてこいと。

「陽平ー!!お願いしますー!!」

そう言って、思いっきり陽平に抱きついた。

陽平は、そんな私を力一杯抱きしめてくれる。
絶対離さないと。

そして、力を緩めたと思えば、陽平の顔が近づいて来て、こんな大勢の前だと言うのに、キスを落とした。

涙が、堪え切れずにこぼれ落ちる。

そんな私の涙を陽平はキスで拭う。

そして、そっと私の左手を取ると、それは見事なダイヤがついた、めちゃくちゃ私好みのデザインをした婚約指輪をはめてくれた。
< 172 / 228 >

この作品をシェア

pagetop