御曹司は高嶺の花に愛を刻む

ここまで来るのに本当に大変だった。

少しでも気を抜けば"結婚しよう"と喉のすぐそばまで言葉が出て来そうになって。
何度も飲み込んだ。

菜由は、初日から俺を誘惑に導く。

俺が選んだドレスを見事に着こなす姿に、場所をわきまえずに襲ってしまいそうになるし、目が合えば、プロポーズしたくなってしまう。

菜由を抱いてしまったら、俺は止められる自信がなかった。

でも、菜由は遊園地を楽しみにしているし、俺も菜由を楽しませたかったし、なんとか我慢した。

それでも菜由はお構いなしに、かわいい顔で俺を誘惑する。無自覚はこれだから怖い。

時折、不安そうな顔を浮かべる菜由。

それもそうだろう。
今までの俺は、我慢なんてせずに抱きまくっていたし。

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