御曹司は高嶺の花に愛を刻む
16
〜陽平side〜
菜由が、ついに俺の妻になった。
そして、社内にも結婚の報告をした。
菜由は、やっぱり"高嶺の花"と呼ばれ男女から憧れの的になっていたらしい。
本人は全く知らないが。
実は菜由と付き合ってからすぐに、俺はあの岩崎という男をBARに呼び出した。
馴染みの仁の店だ。
そして、"俺は本気だから邪魔するな"と。
すると、岩崎は、
「もう、綺麗さっぱり1ミリも振り向かせる事も出来ずに、振られましたよ」
と言った。
もう告白したのかよ。
心の中で、突っ込む。
そして、2人で飲んでるうちに、意外と良いやつだという事がわかった。
岩崎も、岩崎で、最初に見せた攻撃的な表情はなく、本当に菜由の事は諦めたような顔をしていた。
むしろ清々しいくらいに。
そして、別れ際に岩崎が俺に言った。
「副社長が、見れない間は、俺が橋本を周りの男から牽制しとくんで。あいつ、めちゃくちゃ狙われてますからね?副社長も、たらたらしてると持ってかれますよ?じゃ。ごちそうさまでした。お幸せに」
「お、おう。頼むな。何かあったら連絡しろ」