御曹司は高嶺の花に愛を刻む
菜由と、結婚してからは通勤も会社まで一緒に行くようになった。
今日は、俺は会合があったので車が出せず、設楽に送迎を頼んでいた。
「陽平。こういう時は自分でいくよ?」
かわいいな朝から。
設楽の運転する車でそんな事を言う。
「いいから」
設楽がいるというのに、俺はデレデレと菜由の頬にキスをする。
「ちょっと!!」
怒られた。
クックック。
かわいい。
設楽をミラー越しに見るも、一切シャットダウンしているようで安心する。
あいつはこういう奴だ。
そして、設楽が受付に用があると言うので、俺たちも一緒に向かった。
さすがに社に入れば、手も繋がないし、腰にも回さない。
それは、菜由も同じでわきまえている。
受付で、設楽が書類の確認をとる。