御曹司は高嶺の花に愛を刻む
「失礼します」

ノックして社長室に入れば、涼太君がプライベートモード全開で俺の肩に手を回してきた。

「陽平!!お前、よくやったな!!」

俺も切り替える。

「は?何のこと?」

「あの受付の女に決まってんだろ」

兄貴も、ソファーに移動して向き合うように座った。

「ああ。でも何で?」

「知ってたか?陽平。あいつ、俺にも、純平にも告白してきてんだぞ?どうせお前もだろ?」
涼太君が興奮気味に話す。

「やっぱりか。んとに、どういう神経してやがんだ。あいつ、受付で俺の前なのに、菜由を睨みやがった」

「ああ。訳は聞いた。そんな道徳観念のおかしな奴はうちの会社にはいらない。」

ん?
俺は部署の移動を命じたはずだが。
設楽も人事に、そう指示していた。
俺は、そのくらいしか出来ないから。

「あいつは、クビだ」
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