御曹司は高嶺の花に愛を刻む
ッッッ!?

驚いて目を開けた俺に涼太君が補足する。

「なぁ。考えてみろよ。
菜由ちゃんは、陽平の妻だぞ?
純平の義妹で、会長の義娘。
わかるか?
そんな菜由ちゃんに、直接攻撃するような女、ただで済むと思うか?」

兄貴を見る。

「ああ。その通りだ。親父の方が、頭に血が昇ってたぞ?」
そう言って笑ってる。

「しかも、あの女。調べたら、俺たちはともかく、来客にも色目使って、手当たり次第だったらしいぞ。
それに、他の受付嬢に、菜由ちゃんをどうにか懲らしめられないか、悪い男を使って変な事まで考えてたらしい。
お前達、付き合ってた時から知ってたみたいだったぞ」
涼太君が言う。

「嘘だろ?」

「本当だ。朝の車の乗り降りでも見て気づいたんだろ。
だからあいつは、クビ。
そんな女を野放しにできない。
俺たちの家族なんだ」

兄貴は、静かな怒りを露わにする。
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