御曹司は高嶺の花に愛を刻む


「ありがとう。助かった」

俺は頭を下げた。
手遅れになる前で良かった。

「陽平。俺たちに頼れ。親父も言ってたろ?
1人で頑張らなくていい。
あの女にも、きちんと一筆書かせてるから安心しろ。親にも、監督するように伝えてある。何かあればすぐに警察沙汰にするとも」

良かった。会社をクビにした後でも、逆恨みでもされて何か危害が及ぶ事は懸念していた。

「悪い。ありがとう。本当に。何から何まで」

「ああ。それでいい」

「兄貴。ひとつ相談がある」
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