御曹司は高嶺の花に愛を刻む
「菜由。綺麗だ。」
陽平が、熱い視線を送ってくる。
今にもキスが降ってきそうだ。

「んふふ!ありがとう!人魚姫みたいだよね!陽平も、素敵。」
見つめ合う。

「んー。キスしたら、リップ落ちるよな?」

「落ちるね。間違いなく、陽平につくね」

「ったく。」
そう言って優しく抱き寄せて、頭のてっぺんにキスが降ってきた。

「ふふふ。足りないって顔してる」

「当たり前だろ。こんな綺麗な姿見せられて。
後で、覚えとけよ?」
陽平はニカッと口角をあげて、私の腰に手を回して会場までエスコートした。

会場の入り口では純平さん達が私達を待っていた。

「おせーぞ。パーティーが終わるまで我慢だ。陽平」
ニヤニヤしながら陽平をからかう。

「まだなんもしてねーよ」
まだとか付けないで陽平くんよ。

「あんた、ほどほどにしときなさいよ?この猿」
まなちゃんは、自分の息子にとんでもない事を言っている。
貴婦人の口から出たとは思えない。

「さすが、俺の息子だ」
会長!?
褒めちゃうの!?

「菜由。諦めな。こういう人達だから」
麗ちゃんが隣でフォローしてくれる。
フォローにはなってないけど。

「あはははー」
もう、乾いた笑いしか出ませんよ。
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