御曹司は高嶺の花に愛を刻む
そして、再び会場に戻った私は、さっきのテーブルの方を見る。

うわ。まだ、いた。

「あ、あの、、」

仕方なく声をかける。
イケメンは苦手だ。

その人が、振り向く。

ゲッ。やっぱり物凄いイケメンだ。
こんな人見たことないや。
モデルさん?
なんかすごいオーラが出てる。

彼も、私が戻って来ると思ってなかったのか、少し驚いた顔をした。

「ハ、ハンカチ、、」

そう言うと、彼はテーブルの上のハンカチを手に取って

「ああ」

そう言って、ハンカチを差し出す。

「ありがとう。拾ってもらって。」

手を出して受け取ろうとすると、ひょいっとかわされてしまった。

え?

そして彼はハンカチを見る。




「菜由」




ドクン







ハンカチの刺繍を読み上げた。
それだけ。

それだけなのに、私の心臓は壊れてしまったかのように、おかしな動きを始める。
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