御曹司は高嶺の花に愛を刻む
結局、サプライズは何も思い付かない俺は、散々悩んで、菜由に腕時計を普通にプレゼントする事にした。

ちゃっかり、俺もお揃いで買ったりして。

なんか、同じ時間を刻む的な。
ちょっと、口にすると恥ずかしい。

プレゼントひとつでこんなになるんだもんな。
人って不思議だ。

指輪も菜由が喜ぶ顔を何度も想像して、購入したし。

寝ている間に、指のサイズを紐で測って。
それを、設楽と店に一緒に持って行った。
あの設楽と。

あれは、過去一恥ずかしかった。

何で設楽もついてくんだよ。

てっきり、俺1人で行くつもりしてたのに、車を停めてアイツはしれーっと店に入ってきて、俺の隣にいつものように並んだ。

何で来たんだよ。とすかさず口にすれば、
「私は妻にプレゼントを買いに来たまでですので、お気になさらず。」

「お前、結婚してたの!?」

「はい。ご存知かと」
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