御曹司は高嶺の花に愛を刻む
「ただいま」

「おかえりー」

菜由が、パタパタと元気に玄関まで迎えに来てくれる。

朝まで一緒にいたのに、もう懐かしい。
職場では、顔を合わせないからな。
しかも今日は、菜由は休みをとっていた。

菜由をギューっと抱きしめる。
猫吸いの如く、菜由吸いだ。

はぁー。落ち着く。
帰ってきたって感じだ。

そして、どちらからともなくキスをする。

「陽平ッ!ご飯できてるよっ!」

「ああ。ありがとな。いい匂いがプンプンしてる。腹減った」

「ビーフシチューにしたよ!」

そう言って、菜由は俺の手を引いてリビングまで歩く。
かわいいなぁ。

部屋に入れば、白やベージュ、ゴールドの大量の風船が飾られていた。

「なんだ!?どした!?」

「んふふ。今日何の日?」

「え?ホワイトデーだろ?あ!!はい」
俺は、持っていた紙袋を渡す。
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