御曹司は高嶺の花に愛を刻む

母は、私を女でひとつで逞しく育ててくれた。
大学にも。

だから、入院中の今くらいは私が支えるんだ。

そんな中、大手からのスカウトを受け、母に伝えれば、自分の事は気にせず、したい事をしなさい。と背中を押してくれた。

そして、通勤の事もあって、私は家を出て、一人暮らしを始めたのだ。

母は、保険もおりるし気にするなって言ってくれてるけど、、

そんなの絶対、強がりだ。
母は、私に弱さを見せない。

医療費もあるし、貯金もしたいし、家賃も払わないとで、給料は前職よりもだいぶ良いけど、結局カッスカスの生活をしてる。

でも、いーの。少しでも、ママの力になりたい。

完全な自己満足。

今もスーパーの特売品をベテラン主婦に紛れて争奪戦から勝ち取り、両手に持って帰宅しているところ。

「今日のは、凄かったな。」
思い出しただけで、笑える。

私が一足先にカレーの箱をゲット出来た後の出来事で、ラスト一個をベテラン主婦が闘志を燃やして見事な引っ張り合いをしていた。

うっかり、「どうぞ」と譲ってしまいそうだった。
だがしかし、私も生活がかかっている。

心を鬼にして、その場を後にした。
< 3 / 228 >

この作品をシェア

pagetop