御曹司は高嶺の花に愛を刻む
その女性は、黒のスパンコールのキャミソールのロングドレスを着て、大胆に太ももまで開いたスリットからは、長く綺麗な脚が惜しげもなく、サラッと組まれていた。

モデルか?

稀に見るべっぴんだ。

その後、ショーが始まってからも、俺は何故だか彼女の事が気になって、自然と視線が向いてしまう。

彼女は、全くもって、俺という存在に気付かない。
位置的に、視界には入ってるはずなんだけどな。

眼中にないらしい。
面白い。

一瞬も見逃したくないのか、ショーをずっと大きな瞳で見あげていた。


時折、驚いた顔をしたり、ワーオと反応したり、両手を口元まで持って行って微笑んだりと、だいぶ忙しそうだった。

はは!見てて飽きないな。


あの女は、俺を見たらどういう反応をする?
他の女のように、目の色を変えて騒ぐのか?

雰囲気からは想像出来ないほど、奔放な反応を見せる彼女から、目が離せなかった。
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