御曹司は高嶺の花に愛を刻む
ショーが終わり、人の波に合わせて、アフターパーティの会場へ向かう。

こういう感じか。

ちょっとひとりの俺は居心地悪いな。

普通のデザイナーだとこういう場に直接顔を出すが、結ちゃんはちょっと変わっていて、自分の顔をだしていない。

生活しずらくなるのが嫌なんだそうだ。

だから、いつも一風変わった風貌で、顔をうまく隠してビデオレターを届ける。

今日も、大きなモニターが準備してある所を見ると、そういうスタイルなんだろう。

それだけ見たら、帰るか。

結ちゃんのブランドのファンや招待客は、騒いだり、ジロジロ見ては来るが、あからさまに声をかけるような下品な奴はいないようだ。

それだけは助かったな。

そして、ボーイからドリンクをもらいぐるっと自分の居場所を探す。

あ、いた。
あの女だ。
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