御曹司は高嶺の花に愛を刻む

〜陽平side〜

「遅れて申し訳ありません」

俺は、ビジネススーツに着替え、すぐに会議室へ向かった。

会議は、もう始められていた。

「ああ。席につけ」

「はい」





そして、程なくして会議が終わり、重役達が全員退室する。

社長の兄貴以外。

「はぁー」

休日出勤だったとは言え、寝坊だなんて。
初めてだな。
ったく。

「陽平」

兄貴に呼ばれる。

「兄貴。わりぃ。寝坊した」

「ああ。初めてだな。クククク」

ったく。

「ああ。かなり焦った」

「そんなに、昨日は楽しかったか?」

ニヤっと笑う。

「別に」

兄貴にバレたら、全部筒抜けだ。
兄貴の周りは、とにかく野次がうるさい。

「クックッ!まぁいい。お前、口紅付いてんぞ?」

んな!?
俺は咄嗟に口を擦った。

そして気づく。
いや、シャワー浴びたし。

やられた。

「ハハハ!!お楽しみ中、悪かったな」

最悪だ。

「どれ。帰るか。お疲れ」

そう言って、兄貴はスタスタと会議室を出てった。
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