御曹司は高嶺の花に愛を刻む
家に戻って、ソファーに脱ぎ捨てた昨日のスーツを手に取る。

彼女の香りがほのかに香った。

スーツには、彼女の身体についていた細かいパールが所狭しと光っていて、昨日の出来事が嘘ではない事を物語っていた。

「菜由、、、」

菜由は、誕生日を俺と一緒に締めくくり、最高の夜だったと思っただろうか。

脱がせた菜由には、ヘソにピアスが付いていて、なんだか菜由らしかった。

俺の事を、少しでもわかったのだろうか。
あんな、合間でしか会話してないけど。
でも、楽しかった。いちいち可愛かった。




ただの遊び人だと思っただろうな。

散々抱いて、朝には、連絡先も交換せずに、はいさよなら。

だったんだから。

またな!!なんて言って、調子良いとでも思っただろう。


どの口が言ってんだ。と思われたよな。



「はぁー」

ため息しか出ない。
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