御曹司は高嶺の花に愛を刻む
ここは、低層階レジデンスだ。

最上階の5階が兄貴の住まいだ。

俺んちは3階。
前の彼女と別れてすぐにここに引っ越した。

「お前ら、暇人か?」

兄貴のせいだよ。
心の中で、文句を言う。

「それがよー、彼女ここにいなかったぞー。
しかも彼女じゃないんだとよ」
涼太君が言う。

「あ?なんだお前。逃げられたのか?寝坊したのに?」
兄貴、、黙れ。

「それはお前だろ。陽平寝坊したのか?だめだろ」
仁が言う。

「俺はすぐに捕まえたぞ?なぁ」
そう言って、兄貴は塁君を見た。

「俺のおかげだろ」
塁君がつっこんだ。

「お前、前の束縛女と別れてから誰もいなかったろ」
兄貴が言う。


束縛女って。

「ああ」


「勃ったか」
涼太君がふざけた事を言いだした。

俺はもう、口にチャックをつけた。
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