御曹司は高嶺の花に愛を刻む

そして、しばらく話し込んでいれば

「あらやだ!!もうこんな時間!!私、お友達と約束があるのよ!!行かなきゃ!!
純平!!そこの紙袋取ってちょうだい!!」

兄貴の隣にいた俺も一緒に振り向けば、ギリギリ手を伸ばせば届くところに紙袋があった。

兄貴がヒョイっと指を片方の持ち手に引っ掛けて、お袋に渡そうとした時、見覚えのあるハンカチが見えた。

ッッッッ!?

「おい!!それ!!」

「え?何?んじゃねー!!麗ちゃん!!まったねー!」

「うん!!またねママ!!」

そう言って、兄貴から袋をぶん取り、走って行ってしまった。

今見えたレースのハンカチ。
菜由のと似てなかったか?

いや、でもな。
ああいうのは、どこにでもあるか。


いや、でも、、
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