御曹司は高嶺の花に愛を刻む

「副社長」

「なんだ」

「顔が変です」

設楽に突っ込まれる。

「もともとだ。気にするな」

設楽は言われた通り、その後は気にする事なくパソコンに指を当てていた。

俺もパソコンに向かいながらも、頭ん中は菜由の事を考える。

今だけ今だけ。
いつもはちゃんとしてますから。


しかし、あいつ。
飛びついてきてたな。
俺を一体何だと思ってるんだ?
くまか?馬か?
まるで物みたいに。

そして、俺を見上げて、汗を迷わず素手で拭いてたよな?

ハンカチ使え。ハンカチを。
俺が拾ったハンカチを。
汗なんかきたねーだろ。
あ、汚ないから、大事なハンカチ使いたくなかったとか!?

ま、まぁいい。
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