御曹司は高嶺の花に愛を刻む

それよりだ。
あの同僚の岩崎って言ったか?

キスしてなかったか?
ったく。
思い出せば、イライラが止まらない。

ずっと俺の事睨んでたよな?

あいつは、俺が副社長だと知っているはずだ。

あんな顔するか?普通。



完全にライバルを見るような、そんな目してたよな。


ライバルでもなんでもねぇ。


菜由は俺のだ。
俺が見つけた。


許せねぇ。


ついついキーボードを強く叩く。


菜由も菜由だ。
隙だらけなんだよ。

ったく。

目が離せねぇな。


「副社長」

「なんだ」

「顔が鬼です」

「もともとだ。気にするな」

俺は、鬼になったらしい。
何とでも言ってくれ。


すると携帯が震える。

"菜由"

おい。あいつも業務中だろ。
俺も業務中にメールしたけど。

そして内容を確認して、簡単に返信した。

これで、よし。

今日は木曜日。
土曜の午後から会う事になった。

俺は、すっかり仏の顔になり、気持ちを切り替えて、それは真面目に業務に当たった。

けど、またメール。

ったく。仕事しろ。

そう言いながらも、返しちゃう俺。
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