御曹司は高嶺の花に愛を刻む
土曜日の午後。

待ち合わせは13時。
送られてきた住所に迎えに行く。
意外と俺のうちからは、近かった。

は?
ここ?

そこは、何とも言えない、年期の入った重厚な感じのアパートだった。

ハザードをたいて路肩に車を止める。
外で待つか。

すると、菜由が一階の道路側の角部屋から出てきた。

嘘だろ!?

「陽平ー!!うわっ!!車でっか!!」
なんて言って笑ってる。
テンション高いな今日。


俺の車は、グレーのジープグラディエーターでピックアップトラックだ。
少しだけカスタムして、リフトアップもしている。

俺の車なのに、兄貴も欲しかったらしくて、やたらと色はコレがいいだのなんだのってうるさかった。

危うく黄色を買わされそうになったが、全力で拒否した。
親父は赤がいいとか言ってたし。

車にはうるさい。
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