御曹司は高嶺の花に愛を刻む
「だからさ、陽平と感動の再会?果たして思わず抱きついちゃったよね!!
あの時凄く風、強かったよね!!」

ん?
感動の再会の話しは終わりか?
天気トークか?
クックックッ

「ああ。そうだな。強かったな」

「あの時、目にゴミ入っちゃってさ!!
死にそうなって、あの同僚の岩崎君ていたでしょ?ゴミ取ってもらったの!涙ヤバかった!虫も入るよ?今日は、サングラスかけたままにしよう!あ!!サングラス買おう!!一緒に付けよー!」

「クックックッ。わかったわかった。ついたらな?虫はヤバいもんな」

そう言って、頭を撫でた。

そういう事だったのな。
思わぬ収穫を得たな。
あのキスが気になってたから。
あれは、目にゴミが入って取ってもらったのか。
今思えば、確かにキスするには変な角度だった。

あの時、完全にキスだと思って俺は訳もわからず走り出していた。

何でだ?

嫌だと思った。
渡さないと。
俺の菜由だと。




俺。好きじゃん。菜由の事。
しかも、かなり。
初めて感じる独占欲だ。これは。
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