運命とか勘弁してほしい！
あたしはこの部活を楽しんでいるように見えるだろう。でも、この始まりは悪夢のようだった。今でも鮮明に覚えている。

あの入学式の日、あたしはこの三人に「君、ベータだよね」と詰められた。「違う」と否定してもすぐにあたしがアルファではない根拠がツつらつらと述べられ、あたしは完全にミステリーで言うところの探偵に追い詰められた犯人状態になっちゃったんだよね。

「自分のバース性を偽ることは校則違反どころか犯罪だよ？」と栞くん。

「犯罪者を入学させてくれるほど、世の中は甘くはないと思うなぁ」と彰くん。

「俺たちの言うことを聞くのであれば、秘密にしておいてもいいぞ」と草太くん。

三人に脅されて、あたしはそれに負けた。三人からはベータのことを秘密にする代わりに「ミステリー研究部」にはいることを強制され、今に至る。クラスだけは別でよかった。うん、本当に。

彰くんのは書いている小説を読んでいると、推理勝負が終わったのか栞くんが彰くんに文句を言い始めた。
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