運命とか勘弁してほしい!



それから一週間、波風立たない穏やかな日々だったと思う。今日は月曜日。ベッドから降りて、授業に出席するため制服に袖を通す。

「おはよう、琴葉」

朝ご飯を食べるために食堂に行くと、草太くんに会った。あたしも「おはよう」と返し、今日の朝ご飯を選ぶ。ずっと和食だったから、今日は洋食にするか。

「一緒に食べていいか?」

「別にいいけど……。草太くんが栞くんたちと一緒じゃないって珍しいね」

そんなことを話しながら朝ご飯をトレーの上に乗せていく。焼き立ての食パン、サラダ、フルーツたっぷりのヨーグルトなどなど乗せ、テーブルへと向かう。

あたしたちが座った席は偶然にも食堂に置いてあるテレビが近かった。朝のニュースが流れている。隣の県で放火があったらしい。最近物騒だなぁ……。

テレビの画面に時折り目をやりつつ黙々と食べていると、「そういえば」と言いながら草太くんが食べる手を止める。彼の方を見ると、あたしは何も話していないのに目からハイライトが消えていた。
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