運命とか勘弁してほしい！
あたしと和島香奈
オメガの転校生こと和島香奈はあっという間にクラスの注目を集め、休み時間はずっと彼女の周りに人が集まっていた。しかもよく見ると、他クラスの人までいる。

（あの三人はいない……）

笑みを浮かべながら話す香奈の周りには、栞くんたちの姿はない。そのことに何故かホッとしている自分がいた。

「あんなに人が集まってると、話しかけられないよね〜」

友達が香奈の方をチラリと見ながら苦笑する。あたしとしては彼女と関わることの方が怖かったため、内心ではホッとしつつも「残念だね」と表面上は言っておく。

「オメガってだけでも珍しいのに、あのルックスだからね〜。羨ましい」

香奈をチラチラと見ながら友達がため息を吐く。あたしは「あんたも可愛いじゃん！」と言い、わしゃわしゃと頭を乱暴に撫でる。

「ちょっと、髪崩れるから！私は犬か！」

「犬可愛いじゃん」

そんなことを話していると、教室のドアがゆっくりと開いた。ドアが開く音に反射的に顔を上げると、そこには申し訳なさそうな顔をした彰くんが立っている。
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