運命とか勘弁してほしい!
「琴葉ちゃん、この段ボール倉庫に片付けてくれる?」

「はい!」

先輩から手渡された段ボールの山を体育館の裏にある倉庫へと持って行く。体育館の裏はいつも薄暗くて、何か出そうな雰囲気があってちょっと怖い。今ここにいるのもあたしだけだ。

倉庫のドアを開けると、埃がブワリと舞う。独特の臭いが鼻を刺激し、早く段ボールを置いてグラウンドに戻ろうと思ったその時だった。

頭に衝撃が走る。地面に崩れ落ちる。数秒経って、何者かに背後から何かで殴り付けられたのだと気付く。ぬるりと額から何か温かいものが流れる感覚を覚え、何も考えずに手で拭ったらヌルリとした赤い血が手に付いた。

「な、何……」

ゆっくりと首を回して後ろを見る。そこには園芸部が使うスコップを持った香奈が立っていた。スコップからは血が滴り落ちている。

「あんたみたいなブスがモテて、私が何であのイケメンたちに見向きもされないのよ!?あんたなんか……!!」
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