運命とか勘弁してほしい！

エピローグ 三人の愛

気を失ったあたしは、あの後救急車で病院に搬送され、入院することになった。思っていたよりも傷が酷かったらしい。

入院中はそれなりに大変だった。怪我を負わされたことを心配した両親が「転校させる！家に連れて帰る！」と喚いて、それを説得するのが大変だった。今でもあの時のことを思い出すとため息が出てくる。

香奈はあたしに怪我をさせ、しかも下手すれば殺しかねなかったため救急車と共に駆け付けた警察によって逮捕。当然退学処分となった。まあ、この話はお見舞いに来てくれた栞くんたちから聞いたんだけど。

退院し、今日からまた学校での生活だ。香奈もいなくなったし、もうあんなことは起きないよね。そう思いながらしばらく着れなかった制服に袖を通す。

「おはよう！」

久しぶりの教室に入って挨拶すると、友達が飛び付いてきた。その目は涙で潤んでいる。

「琴葉〜！やっと会えた〜！」

「会えたってお見舞い来てくれてたじゃん」

「教室で会わなきゃ意味ないの！」