運命とか勘弁してほしい!
「ちょっとどういうこと!?」

混乱しながらあたしが訊ねると、三人の目はギラついたものに変わる。そして草太くんがあたしの耳元に口を寄せた。

「同じ空間にいれば、いつでもお前のことを守れるだろ?そうしたらあんなことも起きないはずだ」

囁かれたその言葉に、あたしの顔が赤くなっていく。何それ。まるであたしのことを本気で好きみたいなーーー。

「僕たちは君がベータだから興味を持ったんじゃないよ」

「あの日、僕たちは君に一目惚れをしたんだ」

彰くん、そして栞くんも耳元で言う。あの執着にも似た目はそういうことだったのか。今まで気付かなかった。いや、気付こうとしなかったのかもしれない。

「いや、だからって普通ここまでするか!?」

オメガバースの世界では、前の世界ではあった常識がないようです。










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