運命とか勘弁してほしい!
「あの、さっきここは人の来る場所じゃないって言ってましたよね?どういうことですか?」

「美澄琴葉(みすみことは)よ」

神様があたしをジッと見つめる。あたしが唾をゴクリと飲み込むと、神様が勢いよく吹き出した。顔を真っ赤にしてお腹を抱えてゲラゲラ笑っている。突然のことにあたしはポカンとしてしまった。

「いや、失礼!君の最期を想像すると、わ、笑いが……!き、君の遺体の周りには……たくさんの夢本が……ブフォ!」

「お前、「失礼」とか言ってるけど絶対楽しんでるだろ!!」

神様相手だけど、思わずタメ口で話してしまった。同人誌が好きで何が悪い!いや、まあ、確かに痛々しい事件現場に転がってたら違和感すごいけど。あと、あたしの遺品として同人誌をお父さんとお母さんは受け取るのかな?

「しかも、君が死んでしまったのは運命ではない。我々の手違いなのだ。本来ならば違う人間が死ぬはずだったのだが……。申し訳ない」

「ハァッ!?」
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