私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
そして、私の手を見つめる。

「玲乃は、いつも真面目で強がり。でも、俺はこの手が震えてる時に玲乃を一人にしたくない。ズルいのは俺の方。だから、今度困った時は、絶対に俺に電話して。それに……」


「もうこれ以上、待てない。これ以上待ったら、俺が壊れそう」


そう言った亮弥さんは私の手をギュッと握った。

私は、恥ずかしくて手を引っ込めようとしたがびくともしない。


「離して下さい……!」


「嫌」


「っ!なんで、そんなに私に執着するんですかっ……!?」


「君が好きだから。大好きだから。それだけじゃダメ?」


一体、この人の重すぎるほどの愛はどこから来るというのだろう。

「っ!分かりましたっ……!今度、薬が飲めない時だけ電話します……!ただし、飲み終わったらすぐに切りますから!だから、離して下さいっ!」

「駄目」

「何が駄目なんですか!?もう十分でしょう!?」

「最後にもう一つだけ」

「もうっ!次はなんですか!?」



「一人でなんでも抱え込まないこと。絶対に」



それだけ言った瞬間、亮弥さんは私の手をパッと離した。
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